癜風(マラセチア毛包炎)は1年以内の再発率が60%?原因と治療法とは

からだに赤いニキビのようなものや、丸い発疹が現れたことはないでしょうか。癜風(マラセチア毛包炎)は痛みや痒みをあまり感じませんが、放置してしまうと広範囲に広がったり、変色したりと気づいた時にはかなり進行してしまっているケースが多い症状となっています。顔にできるニキビと同じ原因と思っている方が多い症状ですが、全く違う原因となっており、なんと全ての人が発症する可能性のある皮膚病です。ですが、決して治らない皮膚病ではないため、原因と治療法を正しく理解することで、早期解決を目指しましょう。
癜風(マラセチア毛包炎)とは
癜風(でんぷう)とは癜風菌という皮膚に元々常在しているカビが原因で起こる皮膚病です。からだに赤いニキビのようなものや、丸い発疹などが広範囲に渡り発生します。若い男女にも多く発生するといわれており、特に発汗量が増える春〜夏にかけてよくみられますが、1年を通して症状が出続ける方もいます。また良くなったからと言って治療をやめると、ひと夏の間に何度も再発を繰り返す場合があります。
再発率の高さ
癜風菌は普段から皮膚に生息しているということで症状が一旦治癒してもすぐに再発しやすいとされています。生活のスタイルや肌の体質によってはなんと、1年以内に60%の方が再発すると言われています。1~2ヶ月間治療を継続することで、癜風菌は陰性になるケースが多いため、治ったかと思ってもすぐに治療を止めずに、根気よく治療を続けることが重要です。
癜風(マラセチア毛包炎)の原因
癜風菌が高温、多湿の環境下で多汗により菌が増殖することで、癜風(マラセチア毛包炎)が発病します。この菌は発育に脂質が必要なので、脂性肌の方は繁殖しやすくなっており、運動をよくする人や暑い職場環境に従事している方、妊婦の方にも発症することが多いとされています。汗をかいた場合にはタオルで拭いたりシャワーを浴びたりするなどのスキンケアも重要です。
癜風は人にうつるのか
癜風菌は全ての人の皮膚にいる常在菌のため、人への感染はかなり低いとされています。しかし、タオルやスポーツのユニフォームなどの共有により感染してしまうケースもあるため、貸し借りは控えた方が良いでしょう。
癜風(マラセチア毛包炎)の治療方法
市販薬
軽度の癜風の場合は、市販薬を使用することで症状の改善がみられる場合があります。真菌症の治療に用いられる「マラセチア菌を抑える抗真菌剤」を配合している市販薬を選びましょう。細菌・カビの増殖を抑制する成分が入った薬用石鹸・シャンプーを併用して用いる場合もあります。医療機関と併せて使用することで有効的な場合があるため、その場合は医師と相談して使用を検討しましょう。
皮膚科の治療
患部に直接塗る(外用)抗真菌薬が使用される場合があり、放置したことで、範囲が広くなってしまった場合には抗真菌剤を内服することもあります。1~2ヶ月間治療を継続することで、癜風菌は陰性になるケースが多いです。症状が良くなってきたからといって、薬を塗らなくなると再発する可能性が高まるので、医師の指示に従いましょう。
治療の副作用
内服薬を使用する場合、イトラコナゾールによる内服治療が考慮されることがあります。しかし優れた効果を示すものの併用禁忌となる薬が多く、高齢者では肝機能障害などの副作用が生じやすいという問題があります。また、治ったあとの色素沈着や色素脱失などの色素異常は長期間残り、これに対する有効な治療法がないため自然に改善するのを待つしかありません。再発率も非常に高いため、早期治療が非常に重要となっております。
さいごに
癜風(マラセチア毛包炎)は痒みや痛みが伴わないからといって放置してしまうと、気づかないうちに広い範囲に侵食し治療に時間がかかってしまいます。また、自然治癒する症状ではないため、手遅れになる前に治療を始めることを強くお勧めいたします。全ての人の皮膚にいる常在菌だからこそ、上手く付き合っていくことで肌の状態が好転することもあるため、諦めずに根気よく向きあっていきましょう。